2/15掲載の順位戦観戦記、郷田木村の7回戦最終譜より
一方の木村は最終盤の迫力ある追い込みも及ばず、無念の敗北。
終局後は落胆の表情を隠せなかったが――。
感想戦が終わって郷田が退室すると、木村は記録係の鵜木学三段に微笑を向けた。
「三段リーグは残念だったね。
でも、これまでの努力はどこの世界に行っても報われるから
頑張ってね」。
鵜木三段は年齢制限で3月に奨励会を去ることが決まっている。
それにしても大事な将棋を負けた直後に、このような言葉を他人にかけられる棋士が
ほかにいるだろうか。(大川慎太郎)